よく、『混ぜるな危険』という言葉を耳にしますが何があぶないのでしょうか?
ごく普通の家庭にも、いわゆる化学薬品と呼べるものはたくさん存在しています。
化学薬品と聞くと“危ないもの”というイメージを持つかもしれませんが、化学薬品は危ないどころか我々の生活に欠かせないものです。
化学薬品が危ないのではなく『間違った使い方』が危ないのです。
『混ぜるな危険』もこの間違った使い方への注意喚起です。
なぜ危険なのか、何を混ぜてはいけないのか、家庭にある製品を例に見て行きましょう。
最後に、実際混ぜたらどうなるのかも実験しましょう。
混ぜるな危険!の基礎知識
では、何が危険なのでしょうか?
最も代表的な例が
『塩素系漂白剤』と『酸性洗剤』です。
容器に『混ぜるな危険』という表示があります。
この2種類を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生します。
塩素ガスは第一次世界大戦でドイツ軍が毒ガス兵器として使用した危険なガスです。
塩素系漂白剤(洗剤)には
・キッチン用
・衣類用
・お風呂用(カビ取り剤)
・パイプ清掃用
などがあります。
成分は『次亜塩素酸ナトリウム』
成分表をみると、『次亜塩素酸ナトリウム』とか『次亜塩素酸塩』書かれていると思います。
確認してみましょう。
次亜塩素酸ナトリウムは、酸化作用、殺菌作用、漂白作用などがあるため洗剤や漂白剤に利用されますが、
これが有毒な『塩素ガス』の発生源です。
次亜塩素酸ナトリウムの分子式はNaClOです。
この分子中の『Cl』が塩素です。
次亜塩素酸ナトリウムと酸性の液体が混ざると反応により塩素ガスが発生します。
家庭の酸性物質
家庭での酸性液体とは
代表的なものにトイレ用洗剤があります。有名なのはサンポールですね。
サンポールには塩酸が入っていてpH1とかなりの強酸です。
それ以外には、最近では汚れが良く落ちるということで重曹とクエン酸を混ぜて使うという裏技的な方法が知られていますが、酸とついているようにクエン酸も酸性です。
また、レモン汁や食酢も酸性なので、キッチン周りでの塩素系洗剤の使用も要注意です。
食品が残っている状態での使用は避けましょう。
危険な使い方
・塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜて使う(絶対ダメ!)
・酸性洗剤で洗ったあと良く流さずに塩素系洗剤で洗う、またはその逆
・レモン汁や食酢が残った状態で塩素系洗剤を使う(シンク周りは注意!)
・パイプ洗浄剤のつけ置きが終わったあと炭酸飲料で洗い流す(ジュースは酸性が多い)
なので、塩素系洗剤または酸性洗剤を使ったあとは、きれいに水で流してから別の洗剤を使いましょう。
換気も忘れずに!
塩素ガスってどんな臭い?
塩素ガスって本当に出るの?
どんな臭いなの?
って思う人もいるかも知れません。
どんな臭いか知っておくと、もしもの時にすぐ気付き、危険を察知することができます。
臭いを知っているということは、実は非常に重要なことなのです。
しかし、知識のない人が行うと危険です。やり方も分からないと思います。
どんな臭いか知りたい!
という人のために、比較的危険の少ない臭いの確認方法を説明します。
●まず、コップなどの容器に塩素系漂白剤を数滴入れます。
●次に10倍くらいの水で希釈します。
●そこに、酸性洗剤を1~2滴加えます。
そうすると、鼻にツンとくる臭気が感じられると思います。
それが塩素ガスの臭いです。
臭いが感じられない場合は、希釈する水の量を減らしてみてください。
臭いの確認が終わったら、すぐ大量の水で流して下さい。
注意!
臭いを嗅ぐときは鼻を直接近づけないで下さい!
図のように、手で仰ぐように嗅いで下さい。
酸性洗剤が無い場合、炭酸飲料のコーラを数滴垂らしても塩素の臭いを確認できると思います。
コーラって実はかなり酸性なんです!
家庭には思った以上に化学薬品は存在します。
洗剤や漂白剤を使うときは注意書きをよく読んで間違った使い方をしないように気を付けましょう。
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